
歯周病や歯槽膿漏など、歯を失うこともあるお口の病気。オーラルケア意識が低いとされている日本人は歯周病の罹患率も高く、これまでは高齢になったら歯が抜けてしまうものというのが一般的でした。
非常に移りやすい病気としても知られているため、どのように防げばいいのか、なってしまったらどのように対処すべきなのかを知っておく必要があります。正しい知識を身につけ、健康的な歯を守れるように行動していきましょう。
そもそも歯周病にどうしてなるの?

まず、歯周病にどうしてなるのか、その原因を見ていきましょう。基本的には歯茎がやせる、退縮することが原因となるケースが多いです。
その原因を見ていきましょう。
口内環境の悪化
歯の磨きすぎでエナメル質が削れて歯茎が退縮する、ブラッシングで歯垢を取り切れていない、デンタルフロスで歯間の歯垢除去をしていない、歯磨き習慣がないなどさまざまなことで口内環境が悪化することも考えられます。
口内環境の悪化は、基本的に間違ったオーラルケアによるもの。歯科医師に正しいケア方法を教わり、まずは口内環境が悪化しないように対策をしていきましょう。
感染
歯周病菌は感染力が非常に高く、食べ物や飲み物の共有、子どもへのキスなど、日常生活をしているだけで移る可能性が極めて高い病気です。できるだけ人と食べ物飲み物を共有せず、歯周病の疑いがある場合は早く歯科医院で正しい対処方法を知って治すようにしましょう。
タバコ
タバコを吸っていると唾液の量が減ってしまう、ヤニのせいで歯垢が付きやすくなる、ビタミンCがタバコで壊されてしまうため、ベタついた歯垢になるなどの問題があります。さらにニコチンや一酸化炭素というタバコを吸うとついてくる弊害が免疫力の低下を招き、歯周病自体の進行を早めるともいわれているのです。
歯並び、噛み合わせの悪さ
歯並びや噛み合わせが悪いと、ブラッシングとデンタルフロスで落とすことのできる歯垢が減ってしまい、歯垢が歯石になって歯周病を進行させてしまう場合があります。歯が重なっている部分、磨きにくい部分などはピンポイントに磨けるブラシなどを使ってしっかり歯垢を落とし、歯石化しないようにしていきましょう。
ホルモン影響
女性の場合は特に妊娠・更年期などで女性ホルモン分泌が変化します。ホルモンバランスの影響で歯茎が腫れやすくなる、歯周病菌が活性化するなどで歯周病になりやすい口内環境に。日頃から意識している人は少ないため、かかりつけの歯科医に口内環境の確認をしておくと歯周病を防ぎやすくなるはずです。
歯ぎしりや噛み締め
歯ぎしりや噛み締めは、上記に当てはまらなくても歯周病になる確率を上げてしまいます。歯ぎしりや噛み締めによって、負荷がかかると、歯と歯茎の間に隙間ができてしまい、そこから歯周病になりやすくなってしまうのです。
歯ぎしりや噛み締めは無意識で習慣化している部分もあるため治療が難しいですが、これ以上負荷をかけないようマウスピースなどで歯と歯茎を守れるようにしていってください。
歯周病にならないためにできること
これだけ歯周病の原因が分かってきましたが、歯周病にならないためにできることを押さえておきましょう。基本的にはこの2点です。
歯垢を毎日落としきる
まずは歯垢をしっかり落としきり、歯石にしないことが重要です。歯茎が痩せてくると歯と歯茎の間に隙間ができるため、そこに歯垢が溜まって歯石ができてしまいます。きちんと歯石を取り除き、新たに歯周病菌が居着けないようにしておきましょう。
定期的にチェックしてもらう
歯石をクリーニングすること、歯と歯茎の間の隙間の大きさに変化がないか、歯垢を落とし切るケアができているかどうかなどを定期的にチェックしてもらいましょう。定期的なチェックを怠ると一気に歯周病が進行し、一般的なケアだけではカバーしきれなくなる可能性もあります。高齢になっても健康的に過ごせるよう、ぜひ今から習慣化しておくことをおすすめします。
そもそも歯周病にどうしてなるの?

歯周病はかかる前の状態に戻すのが難しい病気。しかし、そのまま放置しておけばどんどん進行してしまうので、まずは歯周病菌を取り除くことからスタートしましょう。歯科医院に行って歯と歯茎の間の歯石を取り除き、正しいブラッシングで毎日の歯垢除去をしてこれ以上の進行を妨げることが大切です。
その他にできる方法としては下記2つがあります。
再生医療で骨や歯を再生させる
歯髄バンクなどに健康な歯髄を登録しておき、再生医療を受けて歯槽骨(歯茎を支える骨)を再生、歯自体を再生させることも状態によっては可能です。個人の状況によってできる治療が大きく異なるため、事前にどんな治療が可能かはよく確認しておきましょう。
インプラント
こちらも歯槽骨の状況によりますが、歯を抜いてインプラントをすることで歯の機能を再生させることが可能です。歯槽骨も歯が抜けると、どんどん退化してしまうためできるだけ早めに歯科医院に行き、相談をしておくようにしましょう。
歯周病は放っておいてもよくならず、感染力も高いため、自分だけでなく家族やパートナーに迷惑がかかる可能性もあります。自分だけでなく周囲の健康な歯のためにも、まずは歯周病になっていないかチェックをするために歯科医院を受診しましょう。